「副業の場合は年末調整されるの?」
「副業で稼いだ分は確定申告が必要ってホント?」
副業を始めた人は、副業分の税金について疑問を持つ人もいるでしょう。
結論から述べると、副業で稼いでいる人は確定申告をするケースが多いです。
この記事では、副業の年末調整や副業で確定申告が必要になるケース、確定申告のやり方・手順について解説します。
副業の税金支払いについて詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
確定申告に必要な書類は所得により異なりますが、共通して必要な書類は以下があります。
この記事でわかること
- 副業の年末調整について
- 副業の確定申告が必要な3つのケース
- 確定申告のやり方や手順
- 副業が会社にバレないようにする方法
副業の年末調整は本業の会社で実施
年末調整とは、「源泉徴収された税額の年間の合計額と、年税額を一致させる精算の手続き」です。
年末調整を行わないと所得税を確定できないため、還付もしくは追加徴収ができなくなります。
年末調整は会社側で行うので、従業員本人は配布される書類に必要事項を記入して提出するだけで完了します。
この年末調整を受けられるのは1人1企業のみなので、副業を行っているかに関わらず本業の会社にて年末調整を受けるのが基本です。
本業で年末調整しても、副業はバレない
本業の会社で年末調整を行う場合、その会社での所得のみが対象になります。
つまり、副業している人が本業で年末調整をしたからといって副業の事実がバレることはありません。
ただし、副業で得た所得については年末調整ができないので、別途手続きをして所得税を確定させる必要があります。
その手続きが「確定申告」になります。
副業の納税額は確定申告によって決まる
確定申告とは、「毎年1月1日〜12月31日までの1年間に生じた所得金額とそれに準ずる所得税額を計算して、源泉徴収された税金や予定納税額などがある場合には、その過不足を精算する手続き」のことです。
副業をしている人が確定申告を行わないと副業所得に対しての税金をきちんと払っていないことになるので、
- 無申告加算税
- 延滞税
などのペナルティが課される可能性があります。
最悪の場合は刑事罰になるケースもあるので、副業で得た所得については確定申告することを理解しておきましょう。
副業の確定申告が必要な3つのケース
年末調整を受けられるのは1カ所(本業の会社)だけなので、副業での所得は確定申告が必要と述べましたが、全ての副業している人に当てはまるわけではありません。
ここでは、副業で確定申告が必要となる3つのケースについて解説します。
ケース①:2か所以上から給与を受け取り1か所で年末調整されている場合
本業とは別の会社からも給与をもらっている人は、確定申告が必要です。
本業として会社員を、副業としてアルバイトをしているようなケースが具体例になります。
この場合、本業の会社でしか年末調整されず、副業のアルバイト収入については考慮されません。
つまり、確定申告を行ってアルバイト収入を含めた所得税計算をし直す必要があります。
ケース②:副業収入が20万円を超える場合
給与所得のある会社員の場合は、副業所得が20万円を超えた場合に確定申告が必要です。
収入ではなく所得が基準になるため、フリーランスのような働き方で副業をしている場合は経費を差し引くことが可能。
なので、必要経費を差し引いた金額が年間20万円を超えるかで確定申告の必要性を判断してください。
なお、副業所得が年間20万円以内については確定申告を行わなくても問題ありませんが、住民税の申告は必要になります。
ケース③:いずれの勤務先でも年末調整を受けていない場合
例えば、アルバイトを掛け持ちしているようなケースでは年末調整をどこからも受けていない可能性があります。
ただし、全ての勤務先の給与の合計額が年間103万円以下の場合は確定申告不要です。
年間で103万円までは控除対象(基礎控除48万円・給与所得控除の最低額55万円)になるためです。
給与合計が103万円を超えていて、年末調整を受けていない場合は確定申告をしてください。
副業の確定申告のやり方や手順を解説
確定申告期間は翌年の2月16日から3月15日
確定申告の期間は所得があった翌年の2月16日〜3月15日と決まっています。
例えば、2023年分の所得に対する確定申告は2024年2月16日〜3月15日です。
具体的な確定申告の流れは以下の通り。
- 必要な書類を準備
- 確定申告書の作成
- 確定申告書の提出
確定申告の期間は2月16日からですが確定申告書の提出をこの期間に行えば良いので、必要書類の準備や確定申告書の作成は事前に済ませておくと、スムーズに確定申告が完了します。
確定申告書作成までの詳細は、以下で解説していきます。
【STEP1】確定申告書類を用意
まずは、確定申告に必要な書類を用意しましょう。
確定申告に必要な書類は所得により異なりますが、共通して必要な書類は以下があります。
- 確定申告書
- 本業の源泉徴収票
- マイナンバーがわかる書類(マイナンバーカードなど)
- 本人確認書類(運転免許証など)
なお、確定申告書に関しては国税庁の公式サイトからのダウンロードなどで入手できますが、必ずしも手書き入力する必要はなく、電子申告での提出も認められています。
提出方法によっては、確定申告書を紙ベースで用意する必要はありません。
【STEP2】源泉徴収票や領収書を準備
STEP1で説明した書類以外にも、所得の種類により用意する書類が出てきます。
所得の書類別に必要な書類をまとめたので、参考にしてください。
副業の所得の種類 | 必要書類 |
---|---|
給与所得 (副業がアルバイトの場合など) |
副業の会社の源泉徴収票 |
雑所得・事業所得 (副業がフリーランスの場合など) |
売り上げ金額がわかる書類(請求書など) 経費がわかる書類(領収書など) |
特に雑所得・事業所得の場合は領収書を保管していないと経費として認められません。
経費計上できないと所得金額が上がってしまい、支払う税金も多くなります。
副業に関係する領収書は捨てずに取っておきましょう。
どこまでが経費の範囲かわからない場合はとりあえず領収書を保管しておき、確定申告書を作成する際に税理士など専門家の人に相談することをおすすめします。
【STEP3】確定申告書を作成して提出
全ての書類が準備できたら、確定申告書を作成していきます。
作成は以下2つのどちらかから行うのがおすすめ。
- 国税庁の確定申告書作成コーナーの利用
- 会計ソフトの確定申告書作成機能を利用
どちらが良いかは、副業の働き方により異なります。
会計ソフトは経費計算が楽に行えますが有料です。
副業が事業所得の場合は会計ソフトのほうが便利ですが、副業が給与所得の場合は無料で使える国税庁の確定申告書作成コーナーの機能で十分でしょう。
ちなみに、白紙の確定申告書に手書きで作成することも可能ですが、書き間違いや計算ミスを起こしやすいのでおすすめできません。
なお、作成した確定申告書の提出は
- e-Taxで電子申告
- 最寄りの税務署に持参
- 税務署に郵送
の3パターンがありますが、電子申告で済ませるのが簡単です。
副業が会社にバレないためにできること
年間20万円以上を副業で稼がないように調整する
副業の所得が年間20万円を超えない場合は確定申告の必要がないので、本業の会社にはバレにくいでしょう。
この20万円は合算金額なので、例えば副業で3カ所から所得がある場合、3カ所合計で年間20万円以内でなくてはなりません。
どうしても会社にバレたくない場合は、副業所得を確定申告せずに済む年間20万円以内に抑えましょう。
確定申告時の住民税を自分で納付する
住民税の支払い方法は、
- 普通徴収:自宅に納付書が届いて、自ら納付する
- 特別徴収:会社の給与から天引きされる
の2つがあります。
会社勤めしている人は、給与から天引きされる特別徴収にて支払っている人も多いでしょう。
もし、特別徴収で住民税を支払っていると、確定申告により変動した住民税の金額が会社に通知されてしまいます。
副業禁止の会社ならトラブルへと発展することもあるでしょうから、確定申告の手続き時に住民税を普通徴収(自ら納付)で支払うよう手続きしてください。
人にむやみに副業をしていることを話さない
もし副業で稼げているなら人に話したくなる気持ちもあるでしょうが、むやみに人に話すことは避けましょう。
特に本業の同僚に対しては、話さないことを心がけてください。
同じ部署の仲間・同期入社などの気の知れた人だけに話した場合でも、どこかでバレるリスクは出てきます。
もちろん、同僚以外であってもバレる可能性はあるでしょう。
SNSで副業について発信することも、個人がわかるアカウントでは控えておくのが賢明です。
まとめ
今回は副業収入の年末調整・確定申告について解説してきました。
改めてまとめると、以下の通りです。
- 年末調整をしてくれるのは1カ所(本業の会社)のみ
- 副業の所得は確定申告をして所得税額が決定される
- 副業の所得が年間20万円以内は確定申告が不要
年末調整は1カ所でしかできないので、副業の所得については確定申告が原則必要です。
本業の会社バレを避けたい人は、確定申告不要のラインである副業収入を年間20万円までに抑えるか、住民税を自ら納付する普通徴収にするなどで対策しましょう。